先日中学生野球部への栄養講習会を担当させていただきました。
テーマは『勝てるチームになるために!現状把握と目標設定』
初回の講義だったのと、集団としての行動変容ステージが無関心期~関心期だったため、がっつり栄養の話をするのではなく、今の自分に足りないものに気づいてもらう内容にしました。
講義の内容を自分事にするには?
関心がない状態で栄養講習会を聞いても『あ~はいはい、食事が大事って話ね』となりがち。
今回1番気にしたのは自分事と捉えて話を聞いてもらうには?ということでした。
そんなわけで今回の講習の流れはこんな感じ↓
①チームの目標の確認
・長期(来年度の大会での目標)
・中期(秋の大会での目標)
・短期目標(この夏の目標)
②チームの練習面での課題の提示(監督が感じている課題)
・練習を休む選手が多い
・持久力、俊敏性、筋力のなさ など
➂栄養面での課題の提示(監督が感じている課題)
・食事の量が少ない
・必要な栄養の種類も量もとれていない
・朝食を食べない選手が多い
④課題の解決方法(基本的な栄養素の話、食事の摂り方)
・体調不良や持久力のなさは食事でも改善できる
・成長期に必要な食事量の提示と理由
⑤個人の現状の確認・目標設定
・作成したプリントに記入
②、➂はほとんどの選手が苦い顔をしながら聞いていました(笑)
そして改めて⑤で自分の現状を書き出す時間はいろんな意味で大盛り上がり。
自分を客観視することの大切さ
今回担当させてもらったチームは、どちらかというと勝つよりも負ける経験の方が多いチーム
選手たちが漠然と、『うちのチームは弱いから負けても仕方ない』と思ってしまっている印象でした。
今回改めて、自分のカラダの状態、練習への取り組み状況、食事、睡眠の状況を振り返らせてみると、多くの選手が今の自分に課題がたくさんあること、それがチームの結果に繋がっているとうことに気づいてくれました。
そして、自分の課題を解決するために具体的に今日から何をしていくのか、家に帰ってからお家の人に何をお願いするのかなどの、具体的な行動目標を書くことができました。
大人のダイエットもそうですが、お腹ポッコリの原因が明らかに食事内容なのに、毎日腹筋だけを継続してもお腹はへっこみません。
持久力が足りないからと言って、練習以外にランニングや自主練習をがんばっても、カラダのエネルギーが足りない状態でそれをすれば持久力がつくどころかケガをしてしまいます。
努力する方向を間違えないためにも、自分を客観視するということはとても大事なこと!
行動目標は継続出来る内容にする
講義の中で1回の食事でごはんをどれくらい食べているかを、画像を見せて聞いてみたところ、多くの選手が
『普通盛りごはん1杯』お前ら本当に成長期の野球少年か!!!
そりゃそんな身体しているし、練習も休みがちになるわ!!!
って感じですが、そんな選手達に『全然足りていないので今日からごはん3杯は食べましょう』は現実的ではない。
『まずは半盛りからでいいので、継続していく。そしてベースの食事量を増やせるようにしていく』
もちろん、食事を抜くなんてもってのほか!!ですが、中には食が細く、朝も食べられない、食べると気持ち悪くなるという選手もいたので、自分が出来そうな内容で目標を立ててもらいました。
課題は伸びしろである
講習会で書いてもらったプリントを見て、まぁ課題山盛りの選手が多い多い(笑)
でもそれらは彼らの伸びしろであり、素直に現実を受け止めて努力しようとする選手が多かったので、今後が楽しみだなとも思っています。
自分自身のことを振り返ってみると、中学生のときに食事の栄養バランスなんて気にしたことなかったし、結果を出すためにカラダづくりを意識したのも高校3年生になってからでした。
中学生のうちにチームでそこを意識出来るだけでも立派だと思うし、実際に行動に移せれば、一人ひとりの選手としてのレベルも上がるはず。
そんなことを期待して、彼らの成長を見守りたいと思います!
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